人材不足の現場を変える!画像認識AIアプリの導入メリットと利用方法

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画像認識AI
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昨今、多くの業界で人手不足が深刻化している背景から、AIによる業務効率化への期待が高まっています。
中でも注目されている技術が、製品の傷や不良品を自動で判別したり、作業環境の異常を検知して安全管理に役立てたりできる「画像認識AIアプリ」です。業務の精度や速度を向上させる技術として、導入が進んでいます。

本記事では、画像認識AIアプリの仕組みや導入のメリット、具体的な活用事例についてわかりやすく解説します。課題解決につながるポイントを把握しておくことで、導入の検討もスムーズに進められるでしょう。

画像認識AIアプリの特徴とメリット

画像認識AIアプリの特徴とメリット
技術の進化により、画像認識AIアプリはさまざまな分野で活用されています。効果的に運用するには、画像認識AIの仕組みやメリットを理解し、アプリ導入時の注意点を押さえることが大切です。

画像認識AIの仕組み

画像認識AIとは、カメラ画像を解析し、物体や人物・文字などを自動で検出する技術です。
深層学習によってAIに大量の画像データを認識させることで、正常・異常の判別や特徴の抽出などが可能です。

深層学習とは、人間の脳神経回路を模した「ニューラルネットワーク」による機械学習の手法で、多層構造のニューラルネットワークを使用します。
画像認識AIの深層学習に多く活用されているのが、CNN(Convolution Neural Network:畳み込みニューラルネットワーク)です。画像データを「畳み込み層」や「プーリング層」に通して、テクスチャ、エッジといった画像の特徴を段階的に抽出し、「全結合層」で最終的な分類・検出を行います。

また、YOLO(You Only Look Once)も画像認識における代表的な技術で、画像や動画から素早く物体を検出できることが特徴です。
主に以下のような場面で活用されています。

<具体例>

CNN
自動車部品の製造ラインで、部品表面の微細な傷や欠けを検出する
YOLO
物流倉庫などで在庫をリアルタイムに検出し、種類や個数、位置などを把握する

画像認識AIのメリット

画像認識AIアプリのメリットとして、以下の3つが挙げられます。

  • 業務の効率が上がり、人手不足の解消につながる
  • ヒューマンエラーを防止できる
  • 業務スピードがアップする

画像認識AIアプリを活用することで、肉眼では判別しがたい異常(小さい単位の傷など)の、正確かつ素早い検知が可能です。
24時間365日稼働できるため、疲れ具合や経験年数といった、個人差による検知精度のばらつきも改善されます。人手不足の問題を抱える企業や、業務の効率化を目指す企業に適しています。

AIアプリ導入の注意点

AIアプリを導入する前に、以下の点を確認する必要があります。

初期コスト

AIアプリの開発に伴う初期コストは、システムの規模や目的・機能・開発工程によって変動する。
さらにランニングコストもかかるため、総額の把握が必須。

既存システムとの相性

AIとの互換性がないなど、システム連携が難しい場合がある。
システムの規模とは「実装する機能の多さ」で、PoC(概念実証)に始まり、限定業務での活用、全社導入というように、段階が進むごとに規模も大きくなります。目的とは「アプリの検証」「社内での利用」「一般向けアプリとして公開」などです。

実装する機能には、顔認識・人物識別やリアルタイム認識処理、AI学習機能などがあります。「AIの適応性検証」「実装・開発」といった開発工程ごとにコストが発生します。

ランニングコストとは、AIアプリの運用・保守費用や外部サービスの利用料など、毎月支払う費用です。ほかに、AIのチューニングや学習データを収集・作成したときにも、その都度コストがかかります。
既存システムとAIとの相性が合わない場合、統合作業に膨大なコストと時間を要するおそれもあるため、現状をきちんと把握しておきましょう。

人手不足の現場で活躍する画像認識AI技術

人手不足の現場で活躍する画像認識AI技術
画像認識AIは、人手不足が深刻化する現場で活躍する技術です。特に、検品や安全管理、在庫管理などの領域で多く活用されています。ここでは、具体的な活用例を紹介します。

画像認識AIアプリ例1:不良品の自動検出

画像認識AIアプリは製品の傷や不備を自動で検出できるため、検品の精度向上に有効です。
カメラで撮影した製品画像から、異常の自動判定が可能です。

画像認識AIアプリを使うことで、人による目視検査を大幅に削減でき、人手不足の解消や時間短縮にもつながります。
近年は、さまざまな企業が画像認識AIソリューションを提供している関係から、あらゆる分野で注目されています。

画像認識AIアプリ例2:安全管理を行う

画像認識AIアプリは、安全管理の必要な現場でも役立ちます。
安全装備の未着用や危険エリアへの立ち入りなどを自動で検知し、即座にアラートを出して作業員に注意を促せます。

建設現場や工場といった危険の伴う作業現場で活用する場合、ヘルメット、安全ベスト、手袋などの画像をAIに学習させるとよいでしょう。
画像認識AIアプリの活用によって現場での見落としが少なくなり、より徹底した安全管理を行えます。

画像認識AIアプリ例3:在庫管理の効率化

在庫管理の分野においても、画像認識AIアプリは活躍します。画像認識AIアプリと連携したカメラの設置によって、次のことが可能です。

  • リモートによる遠隔管理
  • 24時間監視
  • 盗難などの異常検知
  • 撮影記録をもとにした需要予測
  • 撮影した棚やパレットの画像による在庫数・位置の自動把握

画像認識AIで在庫を自動管理することで、業務の効率化が実現し、人手不足の解消にもつながります。

人手不足対策に!画像認識AIの導入方法

人手不足対策に!画像認識AIの導入方法
人手不足の対策として画像認識AIアプリを導入するには、どのような方法があるのかを知ることが大切です。ここでは、既存システムとの連携による方法と、自社用アプリの開発による導入方法を紹介します。

既存システムとの連携

画像認識AIアプリを導入する方法のひとつは、既存の業務システムとの連携です。
画像認識AIを生かせる組み合わせの例を以下に挙げます。

  • 製造ラインの検品システムと画像認識AIアプリの連携により、検品の精度とスピードを上げる
  • 防犯システムとAIカメラを連携し、異常検知を自動化させる

画像認識AIアプリと連携することで、既存システムのスムーズな運用が可能となり、業務の効率化につながるため、人手不足対策として有効です。
AIアプリと連携させる際は、既存システムとの互換性やセキュリティ面に注意しましょう。

自社用AIアプリの開発

画像認識AIアプリの導入には、自社で開発する方法もあります。この場合、業務や現場環境に最適な機能を柔軟に選んで実装可能です。

自社用AIアプリの開発は、テンプレートを活用したスモールスタート型が主流です。
例えば、Pythonのライブラリを用いる方法や、ノーコードツールによる開発方法が挙げられます。小さく始めて段階的に拡張できるため、短期間・低コストで導入効果を検証できることがメリットです。
ただし、ノーコードツールの場合は使用できるテンプレートに限りがあるため、複雑な機能を組めないことがデメリットです。

自社に合う画像認識AIアプリの開発・導入ステップ

自社に合う画像認識AIアプリの開発・導入ステップ
自社に合う画像認識AIアプリを導入するには、準備から開発・運用までの流れを一通り知っておくことが大切です。スムーズな導入のためにも、それぞれの段階で何をするのか理解しておきましょう。

準備フェーズ

画像認識AIアプリの導入や開発には、以下のような準備が必要です。

1.要件定義
アプリ開発の目的や条件などを明確にして、すべての開発関係者が共通理解できる形で整理・文書化する作業
2.データ収集
アプリ設計や機能実装のために必要な情報を集める作業
3.モデル選定と学習
最適なAIモデルやアルゴリズムを決めて、収集したデータでトレーニングする作業

高品質なアプリにするためには、これらの工程を丁寧に行うことが重要です。

開発フェーズ

開発フェーズでは、準備フェーズで明確にした内容をもとに、現場で使いやすいように最適化して完成させます。

1.モデル最適化とエクスポート
学習済みモデルの精度を極力落とさず、軽量化・高速化の処理をしてアプリに組み込める形に変換する工程
2.アプリ開発と統合
AIモデルや各機能をアプリに組み込み、既存システムと連携させる工程

運用フェーズ

アプリが完成した後は、運用フェーズに移ります。

1.テスト
アプリが正しく安全に動くかを確認する、開発の最終工程
2.デプロイ
テストに合格したアプリを現場に展開し、導入する工程
3.運用と改善
安定稼働させながら、アプリをより良くするために、機能の追加やチューニングを行う工程

開発した画像認識AIアプリを長期間にわたって安定稼働させるために、導入後にも引き続き改善を重ねることが大切です。

まとめ|画像を認識するAIアプリを導入して作業・コストの効率化を!

人手不足や作業効率の低下は、さまざまな現場で深刻な課題となっています。しかし、画像認識AIアプリを導入することで、業務効率や精度の向上、時間短縮などが同時に実現可能です。

画像認識AIの導入には、既存システムとの連携による方法と、自社用AIアプリを開発する方法があります。自社の課題や目的を明確にして、それぞれのメリットと注意点を踏まえて検討しましょう。

自社での導入に疑問点や不安がある場合は、専門の開発会社に相談・依頼するのをおすすめします。

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執筆監修
株式会社アラヤ

先端AIとニューロテックで人々とAIを繋げ、誰もが好きな仕事に熱中できる社会を実現します。

主な事業概要AIアルゴリズム・プロダクト開発(ディープラーニング事業・エッジAI事業・自律AI事業)

受賞歴2018年 Microsoft Innovation Award「最優秀賞」
2019年 ET/IoT Technology AWARD「Edge Technology 優秀賞」
2020年「第5回JEITAベンチャー賞」

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