AIシステムを構築するには何が必要?4ステップの流れや注意点を解説

生成AI
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業務の改善に向けてAIシステムの構築を検討しているものの、何を準備し、どこから着手すればよいかわからない方もいるのではないでしょうか。必要なデータや技術、開発から運用までの流れが見えないと、具体的な計画を立てにくいものです。

AIシステムを構築するには、目的に合うAIモデルを開発するだけでなく、業務システムへの組み込みや導入後の運用まで考える必要があります。

本記事では、AIシステムの構築に必要な技術・環境、4ステップの進め方、事前に押さえたい注意点を解説します。

AIシステム構築とは、AIを業務で使える仕組みにすること

AIシステム構築とは、業務上の課題や目的に合わせてAIをシステムに組み込み、実際の業務で利用できる仕組みをつくることです。AIモデルの開発だけでなく、データの準備、業務システムとの連携、導入後の運用・改善までを含みます。

AIシステムを支える代表的な技術が、データから規則性を学び、予測や分類を行う「機械学習」です。その一種である「深層学習」は、多層のニューラルネットワークを使ってデータの特徴を学ぶ技術で、画像などの複雑な情報を扱う場面でも使われます。

AIシステムの活用例:在庫管理・異常検知

AIの活用例として、需要予測を使った在庫管理が挙げられます。

販売実績などをもとにAIが今後の需要を予測し、担当者が発注量を検討する際の判断材料にします。また、画像や機器の稼働記録であるログを分析して異常を検知し、検査や点検が必要な対象を見つける用途もあります。

こうした用途では、AIの処理結果を誰が確認し、どの業務で使うかまで決めることが重要です。モデルの開発に加え、その結果を現場の判断や作業につなげることで、業務で使える仕組みになります。

AIシステムの開発に必要なこと3選

AIシステムの開発には、AIが学習するための販売実績や画像などのデータと、そのデータを使って学習・処理をおこなうための技術や環境が必要です。

ここでは、開発に使う「プログラミング言語」、学習や予測の処理を組み立てる「ライブラリ・フレームワーク」、計算を実行する「機器・クラウド環境」の3つを解説します。

データ処理や実装に使うプログラミング言語

AIシステムの開発には、データの処理やAIモデルの実装に使うプログラミング言語の知識が必要です。販売実績や画像などを学習に使える形に整えたり、AIモデルを学習させて動かしたりする処理を、プログラミング言語で記述します。

代表的な言語はPythonです。データ処理やAIモデルの開発に使えるライブラリが豊富で、学習や予測の処理を組み立てる際に利用されます。また、データベースから必要な情報を取り出す際にはSQL、Web画面や業務システムとの連携にはJavaScriptを使う場合があります。

必要な言語は、開発する機能や既存システムの構成によって異なります。導入担当者本人がすべてを習得する必要はありませんが、開発チームとして、担当する処理に必要な知識を備えておくことが重要です。

学習・予測の処理を実装するライブラリやフレームワーク

AIシステムの開発には、学習や予測の処理を実装するためのライブラリやフレームワークが必要です。

ライブラリは、データの加工やモデルの学習など、必要な機能を呼び出して使える部品集です。フレームワークは、処理の流れや基本構造を提供する、開発のための枠組みです。どちらも、あらかじめ用意された機能や構造を利用することで、一からプログラムを書く手間を減らせます。

代表例には、深層学習モデルの構築・学習に使われるTensorFlowやPyTorch、数値の予測やデータの分類、モデルの評価などに使われるscikit-learnがあります。

扱うデータや実現したい機能によって適したものが異なるため、開発目的に合わせて選ぶことが重要です。

計算処理を支える機器とクラウド環境

AIシステムの開発には、モデルの学習や予測に必要な計算を実行できる機器・環境が必要です。特に深層学習では多くの計算をおこなうため、複数の計算を並行して処理できるGPUなどの利用を検討します。ただし、すべてのAIシステムでGPUが必要になるわけではありません。

計算環境を用意する方法には、自社でサーバーを保有する方法と、クラウドを利用する方法があります。クラウドでは、サービス事業者が提供するサーバーなどを使って、モデルの学習や予測を実行します。

必要な機器や処理能力は、開発するAIの種類や扱うデータ量によって異なります。そのため、必要な計算能力を確認したうえで、費用や管理体制、データの取り扱いを踏まえて環境を選ぶことが大切です。

AIシステムを構築する4ステップ

AIシステムの構築は、課題の整理、データの準備と検証、モデルの開発と業務への組み込み、運用と改善の4ステップで進めます。それぞれの工程で確認する内容を解説します。

ステップ1:解決したい課題とAIを使う業務を決める

まずは対象業務を1つ選び、現状の課題と、AIに担わせたい判断・予測を整理します。「どの作業で困っているのか」「AIを使ってどのような状態を目指すのか」を明確にすることが、開発の出発点です。

あわせて、既存システムの改善や業務ルールの見直しで対応できないかも検討します。AIの利用を前提にせず、課題の解決にAIが必要かを確かめましょう。

外部の開発会社へ依頼する場合も、対象業務と開発の目的・目標を共有します。実現したい状態を具体的に伝え、開発範囲や目指す成果について認識をそろえることが重要です。

ステップ2:データを整え、小規模な検証で実現性を確かめる

データを準備したら、小規模に試して目的を達成できそうかを確かめるPoC(概念実証)をおこないます。主に確認するのは、次の項目です。

  • データの量・質は十分か
  • どの程度の精度が得られるか
  • 期待する業務上の効果が見込めるか
  • 実務の作業に対応できるか
  • 費用に見合う効果が期待できるか

検証結果と残された課題をもとに、本開発へ進むか、データの追加や計画の見直しが必要かを判断します。

ステップ3:AIモデルを開発し、業務システムへ組み込む

続いて、AIモデルを業務で利用するためのシステム開発を進めます。既存の業務システムと連携できるように設計・実装し、テスト・評価では、モデルの性能に加えて次の点を確認します。

  • 処理速度:業務に必要なタイミングで結果を得られるか
  • 安定性:実際の利用環境で安定して動作するか
  • 保守性:運用後の修正や更新に対応しやすいか

実際の業務の流れに沿って動かし、担当者が処理結果を作業に利用できるかまで確かめることが重要です。

ステップ4:業務で運用し、効果を確認しながら改善する

業務への導入後は、目標の達成状況を測る指標であるKPIを用いて効果を確認します。改善したい業務課題に合わせてKPIを設定し、モデルの精度だけでなく、業務上の成果につながっているかを評価してください。

運用中はシステムを保守しながら、必要に応じて学習データの追加や再学習、設定の調整をおこないます。データの加工方法やアルゴリズムも見直し、変更後の結果を確認します。

調整によって必ず精度や業務効果が上がるとは限りません。変更と評価を繰り返し、結果を確かめながら改善を進めることが大切です。

AIシステムの構築で失敗しないための注意点

開発の手順を踏んでも、目的がぶれたり、データの不足や管理上の問題を見落としたりすると、期待した成果につながらないおそれがあります。ここでは、開発を進めるうえで注意したい3つの点を解説します。

AIの導入自体を目的にしない

開発中の技術選定や投資判断では、当初の課題と改善したい指標を基準にすることが重要です。流行や他社の導入だけを理由に進めると、機能の追加や技術の採用が優先され、現場で必要とされない仕組みになるおそれがあります。

新たな提案を受けた際も、解決したい課題にどう役立つかを確認しましょう。精度の高さや機能の多さだけで判断せず、業務上の効果と費用が見合うかを確かめることが大切です。

モデルに合うデータの量と品質を確保する

データの不足や品質の問題は、モデルの工夫だけで補えるとは限りません。学習に使う情報が足りなかったり、内容に偏りやばらつきがあったりすると、期待する精度を得にくくなります。

必要なデータ量は課題や手法によって異なるため、件数の多さだけで十分とは判断できません。開発初期に、想定するモデルに合う量と内容を確保できるか確認する必要があります。

不足がある場合は、本開発を急がず、小規模な検証で可能性を見極めましょう。データ面の課題を残したまま開発規模を広げないことが、手戻りを防ぐうえで重要です。

データの管理責任と利用範囲を明確にする

顧客情報や業務データを扱う際は、情報漏えいや不正利用を防ぐセキュリティ対策と、取り扱いルールの整備が必要です。特に外部サービスやクラウドを利用する場合は、次の点を確認しましょう。

  • データの管理を誰が担うのか
  • どの目的で、どこまでデータを利用するのか
  • 自社と外部の事業者が、それぞれどの範囲を管理するのか

安全性は、自社サーバーかクラウドかだけでは判断できません。利用環境の種類に関わらず、データの管理責任と利用範囲を明確にすることが重要です。

まとめ|AIシステム構築は課題とデータの確認から始めよう

  • AIシステム構築とは、業務上の課題や目的に合わせてAIを組み込み、実際の業務で利用できる仕組みをつくること
  • 開発にはデータ・技術・計算環境が必要で、課題整理、データの準備と検証、開発と組み込み、運用と改善の4ステップで進める
  • 導入自体を目的にせず、モデルに合うデータの量・品質と、データの管理責任・利用範囲を確認することが重要

AIシステムの構築では、モデルの性能だけでなく、現場の業務で使える仕組みにすることが重要です。小規模な検証を経て構築を進め、導入後も効果を確認しながら改善を続ける必要があります。

まずは、AIに任せたい判断・予測の業務を1つ選び、その業務で現在使っているデータが社内にあるかを確認しましょう。対象業務を決めた後、データの評価やモデル選定、業務システムへの組み込みを自社だけで進めるのが難しい場合は、外部の専門家への相談も選択肢になります。

アラヤでは、業務に合ったAIシステムの構築を支援しています。詳しい内容はこちらをご覧ください。

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